大小問わず建設現場は常に危険との隣合わせです。30階以上のマンション、ビルの建設は、高所での作業などは、ちょっとした落下物でも人が死ぬ場合もあります。
通常の2階建ての注文住宅でも気を抜いたら足を滑らせて落ちてしまう場合もあります。
安全大会とは、このような死につながるトラブルも含め現場で働く労働する方たちが気持ち良く働いていけるように促すようなものになります。
安全大会を行っていく上で、大事なことを順を追ってご紹介していきます。
Contents
安全大会とは?
皆さんは安全大会ってご存知ですか?建設業関係で働いてない方はピンとこないですよね?「何の大会なの?」って感じですよね?実は大事なので、どのようなも意味、目的があるのかご紹介していきます。
安全大会の目的
安全大会とは、各現場における働く方たちの安全と健康を確保するように、働きやすい労働環境を整え、より高めていくことを目的に、各現場の協力会社が一斉に集まり、安全への意識をより高めるために、安全意識を共有するために開催されるものです。
建設現場は本当に危険との隣合わせですので、安全大会は必要なことかと思います。現場で働く一人一人が、安全への意識を高く持つことが一番必要なことです。
昨今では、安全大会が定型化してきておりますが、必要な情報の共有など関係会社の顔合わせなど他の会社との連携が大事な現場においては安全大会は重要な集まりとなります。
安全大会の意味
安全大会は現場が立ち上がる前に必ず行うことであります。そういったことを踏まえると安全大会を開催する側、安全大会に出席する側とお互いが定型化してしまうといったことが、しばしば起きてしまいます。
安全大会を主催する側の危険性
- 形式的にやっている
- 恒例になっている
- やらないとイメージが悪い
安全大会に出席する側の危険性
- 何回も同じ内容
- 同じ内容なので、ボーtっとしてる
- 顔出しとかないとイメージが悪い
上記のような危険性も含んでいますので、安全大会を行う際は、おざなりにならないような主催者側の工夫が必要かと思います。
本来の安全大会の意味は安全講習や安全に対する抗議を聞いいたり見たりすることによって各々が安全に対する意識の向上、再確認をする場であるので、常に安全に対して危機感を持たなくては意味がありません。
安全大会を主催する側は大変だが、現場で働いてくれる協力会社がしっかりと安全意識が高まるような安全大会を企画しなければ安全大会の意味がありませんので、注意しなければならないポイントです。
安全大会の式次第(進行)
安全大会がいかに重要なことかとおわかり頂けたと思います。ここでは、安全大会の式次第(進行)についてご紹介します。
安全大会の式次第の基本的な流れ
- 1.安全大会の開会宣言(開会の挨拶)
- 2.来賓の紹介・挨拶
- 3.現場の管理者の紹介
- 4.協力会社の紹介
- 5.現場の概要・工程の説明
- 6.安全に関するビデオ講習など
- 7.安全宣言<
- 8.閉会宣言(閉会の挨拶)
上記の流れが基本的な流れになります。各現場、建設会社の現場責任者によって内容は異なります。
なぜなら安全大会がおざなりな定型化になってしまうと安全大会に来る会社は何回も安全大会に出席しているので、安全大会慣れしているので、同じ内容では危機感の意識が薄れてしまう場合があります。
安全大会は毎回よく考え安全意識を高められるような内容にしなければならない。
安全大会の挨拶とは? 使える例文、スピーチのポイントは!?
安全大会での挨拶は、現場を請け負うメインの業者の責任者が行うことが多いです。その際、どのような挨拶が良いか悩むところです。挨拶自体が苦手だったり、毎回同じにならないよう工夫するのが大変だったりと色々理由はあると思います。
ここでは、使える安全大会の挨拶の例文を交えて安全大会に関する挨拶、スピーチのポイントをご紹介します。
安全大会の開会の挨拶の例文
安全大会での開会の挨拶の簡易的な例文をご紹介します。
安全大会に出席される方は、安全大会にかなりの数を出席しているので、あまり長い挨拶は避ける必要があります。スピーチが長いと全体がだれてしまうので、簡潔に短く終わらせるのが良いでしょう。
安全大会挨拶の例文の流れ
- 本日は大変お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。これより平成〇〇年度〇〇現場の安全大会の開会を宣言させて頂きます。
- 最近の建設事業での事故数など災害など詳しい数字を発表する。
- 事故数、災害などを踏まえていかに「0」にするかを説く。
- 全国安全週間などで発表されているスローガンを元に、来席している協力会社への安全への意識をみんなで共有することを促す。現場独自のスローガンを作っても良い。
- みんなで安全の意識を高め快適な労働環境を作っていきましょうという形で結ぶ。
上記のように安全大会での開会宣言(開会の挨拶)の流れを記載しました。事故数など数字を最初に問題提起として掲げることで、来席の方たちに危機感を促し、それを踏まえてみんなで安全の意識をたかめようというオーソドックスな流れとなっております。
あまり長ったらしくならずに短くスッキリとした挨拶にしましょう。
建設会社の安全大会の挨拶の例文
本日はお忙しい中、お集り頂きまして、誠にありがとうございます。これより施主〇〇会社様、施工〇〇建設の安全大会を開催しますことを、ここに宣言させて頂きます。
昨今、業界での事故、災害件数は○○件となっております。大きい流れでは減少傾向となっております。しかし、死亡事故は残念なことですが、昨年よりも○○%増加しております。
依然として、尊い命が失われている状況をなんとかして「0」にしていかなければなりません。工事期間中は、常に安全第一を意識して作業を行って下さい。
一人一人の安全に対する意識で現場全体の安全への意識も高まります。危機感を持って誰もが、快適に働ける現場環境作りに努められますようお願い申し上げまして、挨拶とさせて頂きます。
安全大会の来賓の挨拶の例文
上記の安全大会の流れでもあるように安全大会では、来賓の挨拶という場面があります。この際、来賓の方は、挨拶をしなければなりません。どのような内容の挨拶をするべきなのかわからない方もいるかと思いますので、ご紹介します。
内容がわからない場合に使える例文の流れ
- スピーチ、挨拶をする人の簡単な自己紹介。
- 今回の安全大会の開催の祝辞。
- 安全大会への意義を簡潔に述べる。
- 今回の現場への安全、成功を祈る言葉で結ぶ。
基本的に来賓とは、施主・設計事務所などになりますので、来席している協力会社(実際に現場で働く方たち)に自己無く頑張ってね!
という挨拶になりますので、施主だからと威張らずに簡潔に自己「0」での成功を祈願するような挨拶にとどめておくのがベストです。
安全大会の締めの挨拶の例文
上記の安全大会の流れでもあるように安全大会では、安全大会の閉会の挨拶という場面があります。この際、安全大会を締めるような挨拶をしなければなりません。
どのような内容の挨拶をするべきなのかわからない方もいるかと思いますので、安全大会の締めの挨拶をご紹介します。
安全大会の締めの挨拶使える例文の流れ
- スピーチ、挨拶をする人の簡単な自己紹介。
- 今回の安全大会への慰労の言葉。
- 今回の現場への安全、成功を祈る言葉、みんなで協力していこうという思い。
- これにて本日の大会を閉会いたします。
- エイエイオーで締める。
基本的に来賓とは、施主・設計事務所などになりますので、来席している協力会社(実際に現場で働く方たち)に自己無く頑張ってね!
という挨拶になりますので、施主だからと威張らずに簡潔に自己「0」での成功を祈願するような挨拶にとどめておくのがベストです。
建設業での安全大会における安全宣言とは!?
これまで安全大会について書いてきました。安全大会の流れの中で安全宣言というものがあります。これはどういうものなのか見ていきましょう。
- 安全週間のスローガン
- 会社独自の安全スローガン
- 会社独自の安全標語
安全宣言とは、上記のような安全スローガン、安全標語をみんなで一斉に唱和するということで、みんなで安全を意識するという行為です。
この安全スローガン、安全標語は現場の朝の全体朝礼で、唱和する現場も少なくないです。
安全宣言 例
- 気を付けて!みんなで守ろう安全ルール!
- 安全第一!みんなで守ろう安全確認!
上記のように簡単ではありますが、このようなスローガン、標語をみんなで唱和します。これは大きな声で唱和することにより潜在意識に刷り込まれるので、意外と大事なことだったりします。
余談ですが、建設会社では社員に公募して毎月、スローガンを作っている建設会社もあります。
建設業などにおける安全大会の資料
建設業における安全大会では、現場の概要だったり作業工程など色々な資料が参加者に配られます。当たり前ですが、建設物を単純に建てるといっても色々な業者の順番(工程)があります。
各現場でのルールや近隣の状況も現場ごとで違うので、責任者は良く目を通しておかなければならないでしょう。
安全宣言の資料 例
- 1.工事概要(建物・全体について)
- 2.近隣等の状況について
- 3.安全管理体制について
- 4.工程・現場進捗状況(表などを作成する)
- 5.災害防止重点事項
- 6.現場の規則(ルール)
- 安全ルール
- 搬入
- 搬出ルール
- 休憩所・喫煙所ルール
- その他
- 7.緊急連絡網
- 8.提出書類について
安全大会の行われる時間
安全大会を開催する前準備としてだいたいどのくらいの時間をかけて進行していくのかを考えてプログラムを組まなけらばなりません。
前回行った安全大会の時間を目安にプログラムを考え、前回と同じにならないように工夫する。大体1時間半から2時間で終えるのがベストである。
それ以上だと来席の方たちの集中が薄れ、安全大会の意味がなくなってしまうからです。
安全大会へ行くときの服装
中には安全大会と称したBBQだったり、飲み会などもありますが、基本的には各現場での情報、安全の共有ですので、上は作業着、下は派手ではないスラックスなどフォーマルなもので出席するのが好ましいです。
安全大会でのアンケート
上記での安全大会での進行する会社は、年間にいくつもの安全大会を開催する場合もありますので、来席の方たちにアンケートを取るというのも良いかと思う。
なぜならプログラム、進行、安全講習、安全講義など前回と同じにならないようにしなければならないので、今回はどうだったか?などどんな話が聞きたいかなど書いてもらうのも1つである。
なかなか面倒で書いてくれない来席の方もいるかと思いますが、書いてくれないところは、あらかじめピックアップできますし、書いてくれる会社の方から次の安全大会のヒントをもらえるかもしれません。
建設業などにおける安全大会の挨拶・意味のまとめ
建設業における安全大会の挨拶は、安全宣言唱和とは全く別のものということはご理解頂けたかと思います。
安全大会の挨拶は、働く現場の方たちに安全に対する問題提起により、今回の現場に対する安全への意識を促す必要があります。
安全宣言は、直接みんなで現場での作業を安全に行うためのスローガンのようなものになります。目的は業務を安全に行うということですので、同じですが、アプローチが違うということを認識しておきましょう。
安全宣言、安全スローガンは、常に安全の確保を心がけることと、人命尊重の職場環境を目指すことを、言葉に込めることがポイントです。
当たり前ですが、建設業安全大会への出席に対する感謝の言葉も忘れないようにしましょう。また、安全大会に参加する方が飽きないような工夫を凝らすことも必要でしょう。
なぜならば、安全大会に参加する人はかなりの数の安全大会に出ていることが推察されるので、安全大会に悪い意味で慣れている場合があるからです。
作業員ひとりひとりが安全を意識するだけではなく、作業員一同が心をひとつにして安全対策に取り組む姿勢になれるような安全大会にしていくことが必要だということがわかりました。
建設業の安全大会に出席したこと、安全宣言、スローガン、安全標語を全員参加で唱和したことが、安全意識の向上と、快適な現場環境の改善に大きく役立つことを、あらためて言葉で述べると良いということも理解できたことでしょう。
建設業の安全大会への参加が、協力会社の顔合わせなどで、有意義なものであったと言葉で理解できると、ますます安全意識が向上しますし、チームワークにも良い影響が出てきます。
これは、しっかりとした安全、快適な現場環境への改善意識をもたせるような安全大会じゃないと意味がないということも理解できたことでしょう。
設備や作業工程も安全大会の資料としてでますので、改めてみんなで見ることによって、改善したほうが良いと気づいた点があれば、意見を述べたり、改善の提案を行いやすいように呼びかけるのも良いでしょう。
意見を言いやすい現場環境は、安全で快適な職場環境に繋がります。安全な職場環境を維持することが、労働福祉である人命尊重にも、無災害で事故件数「0」でのの工事完了が建設業全体への信頼にも繋がっていくことを述べると、責任感の向上にも効果を期待できます。